散り椿を観た。
観始めてまず抱いたのが、ワンシーンの終わり方への違和感。なんでこうも中途半端なのだろうと思った。ふくみを持たせる脚本だった。
ワンカットごとに画になる。役者含め人も木も土も山も建物も服も花も、全てが作品だった。やっぱりお約束の展開、それこそ日本映画。だからこそつくりあげられたのがこの作品。
殺陣が見えないほどの天候の演出。影での表現は水墨画。どの画からも感じ取れる溢れんばかりの侘・寂の表現。
武士ほど生きづらいものはない。守るものが多すぎる大きすぎる。守るものに対して人は脆すぎる。命の重さなんていう陳腐な言葉では表現できない。よりくっきりとはっきりと生死を、その狭間の人生を描き出すことができる。
芸術性のためかストーリー性のためか、どちらにしてもあのシーンの終わらせ方は妥当だったのではと思う。
収まるべきところに収まって、散る。去る。セオリー通りの終わり方。
最後に笑顔を持ってくるのもいいな。救いがある世界。
「お上には敵わないな」って言葉。ご都合主義って言っちゃったらそれまで、でもそれがいい。
エンドロールでの監督の名前の出し方には笑ってしまった。
わたしは未熟すぎて、経験が足りなすぎて、知識が少なすぎる。時間があるうちにできることをしたいなあ。