匿名

日記

恋愛に関すること

同じ制服を着ている女の子2人組を後ろから眺めていた。触れそうで触れない距離にある手を見ていると、全くの部外者なのに私がもどかしか感じる。きっと彼女たちは意識していないだらう。そのあまりのなにげなさがすごくうらやましい。

好きな人と指先が触れて、意識しているのはわたしだけで、その寂しさは経験した人にしかわからない。一瞬感じた指先の体温を、忘れないようにそっと留めておく。

一つの傘の下、私の胸の鼓動を打ち消す雨音に感謝した夕方。

告白して友達でいたいと言われたときの気持ちは、電車が目の前で行ってしまい駅に取り残された気持ちと似ている。ああ、もう少し頑張って階段を登れば間に合ったのにな、というどうしようもない後悔。どこにも向けられない遣る瀬無さ。

これから毎年、風の涼しさを感じるこの季節に、金木犀の香りと一緒に、このどうしようもない感情を思い出してしまうのだろうか。そんなのはあまりにも酷すぎると思った。