誰かの感じたことを否定する人間が、この世界には一定数いる。ある人が「こんな経験をして怖かった」と言うと「それは言い過ぎだ。そんなことをおおごとにするな」と言う。また「こういうことをされて痛かった」と言えば「そんなわけはない。実は気持ちよかったんだろう」などと返してくる。
そんなわけがないだろう。私はあなたではないしあなたは私ではないのだから。私と全く同じことを感じるなんて私以外の誰もできないはずなのに。
意味もなく私を傷つける人間たちがいる。彼らはたいてい容姿のような外的なものを貶める。なぜ彼らの人間性や考え方、私を傷つける原因や改善法、必死に考える方が時間の無駄だと気付いたのがあまりにも遅かった。いや、まだ時間ならあるのだ。今からでも自己否定の沼から抜け出せる。自分を卑下することと謙遜は違う。
必要以上の卑下は、自分を褒め認めて尊重してくれる多くの人たちを裏切ることだ。
もうしないと決めた。
今日も蟋蟀の声が聞こえる。